2025年4月現在、退職後、全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)での任意継続被保険者となることを選択した際の保険料をお得に支払う方法がわかります。
会社を退職したら次に加入する健康保険を選択する
日本は国民皆保険制度を導入しているため、会社を退職した際には、次の3つから加入する健康保険を選ばなくてはなりません。
- 次の就職先で社会保険に加入する
- 国民健康保険に加入する
- 任意継続被保険者として前勤務先での健康保険を継続する
- 家族の扶養になる(年収130万円以下などの被扶養者になるための条件があります)
就職先が決まっていて労働条件が社会保険加入条件を満たしている場合
次の就職先が決まっている場合で社会保険の加入条件を満たしている場合には、その会社で社会保険に加入します。(健康保険と厚生年金保険に加入します)
退職日と就職日が月を跨る場合には一時的に国民健康保険に加入しなくてはならないため注意が必要です。
その他の場合
就職先が決まっていない場合または就職先での労働条件が社会保険加入条件を満たしていない場合、以下の二つから選択して健康保険に加入しなくてはなりません。
- 任意継続被保険者として前勤務先での健康保険を継続する
- 国民健康保険に加入する
- 資格喪失日の前日までに「継続して2ヶ月以上の被保険者期間」があること
- 資格喪失日から「20日以内」に申請すること(20日目が営業日でない場合は翌営業日まで)
任意継続被保険者となった場合の保険料
任意継続被保険者となった場合の保険料は前勤務先の健康保険料(標準報酬月額)が引き継がれます。 但し、前勤務先で働いていた際は会社が保険料の半分を負担してくれていたため、基本的に支払う保険料は勤務していた時の2倍となります。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)で任意継続被保険者になった場合、標準報酬月額の上限が32万円(2025年3月現在)と定められているため、前勤務先での総支給額が月額33万円を超えていた場合は2倍にはなりません。さらに総支給額が月額63万5千円を超えていた場合は逆に保険料が安くなります。(2025年3月現在)
- 健康保険組合連合会の加入者は前勤務先での収入によっては2倍以上になる場合もあります。
任意継続と国民健康保険のどちらを選択したほうがお得なのかは別記事にて掲載しています。
任意継続保険料をお得に支払う方法
前勤務先で支払っていた保険料が倍額になるのは非常に負担が大きくなるため、少しでも負担を減らすための方法を掲載します。ここで掲載している内容は全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)での支払い方法となりますので、健康保険組合連合会(通称:組合健保、主に大企業被用者などを対象とする)への支払いには適用できない可能性があります。
保険料を前納する
保険料を前納することで、割引[年4%(複利現価法による)]になります。前納できる期間の詳細は下記リンクを参照下さい。退職後、一定期間(半年以上)働かないことが決まっている場合は前納するのも選択肢となります。
一番お得な支払い方法はnanaco(セブンイレブン)

任意継続保険料の支払いの基本は現金
任意継続保険料は特定金融機関の窓口、各金融機関のATM(ペイジー)、コンビニエンスストアのレジで支払うことができますが、QRコード決済やクレジットカード払いはできず、そのほとんどが現金での支払いとなります。
電子マネーはnanacoのみ
電子マネーはセブンイレブンでのnanacoのみが支払い可能でミニストップでWAONでの支払いは不可となっています。nanacoの支払いもnanacoポイント付与対象外となっています。 では何故、一番お得な支払い方法がセブンイレブンでのnanaco支払いなのか、以下に説明します。
nanacoへのチャージ分でお得に(0.5%~5%還元)
保険料の支払いではnanacoポイントの還元はありませんが、クレジットカードなどからnanacoにチャージすることでクレジットカードのポイント分やキャッシュバック分がお得になります。チャージ方法にもよりますが、クレジットカードのキャンペーンを活用すれば5%以上お得に支払うことも可能な場合があります。
nanacoへのお得なチャージ方法
高還元でチャージできるのはモバイルnanaco(ApplePay限定)
nanacoカードにはリアルカード、モバイルnanaco(iPhone)およびモバイルnanaco for Andoidの3種類がありますが、高還元率でチャージできるのはモバイルnanaco(iPhone)で0.5%~5%の還元率となります。その他の2つについては、チャージできるクレジットカードも限られていて、セブンカードプラス1択で還元率も0.5%となります。
モバイルnanacoに高還元でチャージする方法
モバイルnanacoに高還元でチャージする方法はいくつかありますが、代表的なチャージ方法を掲載します。
コンスタントに1.5%還元でチャージが可能なVNEOBANKデビットカード
VNEOBANKのデビットカードはVNEOBANKの口座開設すれば、無条件で発行できるカードで、このデビットカードからnanacoにチャージすることでチャージ額の1.5%分のVポイントが付与されます。

- デビットカードですので、VNEOBANK口座残高がない場合はチャージできません
- 1.5%分のVポイントが付与には月間1,000円以上の利用が必要です
他のクレジットカードなどからのチャージで高還元率となるJALPayからのチャージ
JALPayは住信SBIネット銀行のJAL提携支店であるJALNEOBANKの口座開設すれば、無条件で利用できるプリペイドカードです。このJALPayからモバイルnanacoにチャージすることで0.5%分のJALマイルが付与されます。 また、JALPayにはJALNEOBANK口座からチャージできるだけでなく、国際ブランドがマスターカードかJCBのクレジットカードからもチャージできますので、クレジットカードのポイント還元分とJALPayのマイル還元分の合計がお得になります。

以下にJALPayに1.5%以上の還元率でチャージできるクレジットカードを紹介します。

三井住友ゴールドNLカードは年間100万円利用達成で10,000Vポイントが付与される特典があり、基本還元率と合わせて1.5%還元となります。
年会費は有料(5,500円)ですが、入会キャンペーンで初年度年会費無料特典があるタイミングで発行するのがおススメです。 ポイントサイト経由で申し込むとさらにお得です。

PayPayカードは前月にPayPayステップを達成することで還元率が1.5%となります。PayPayステップの達成条件は200円以上の利用が月30回、利用金額合計が10万円以上ですので、少しハードルが高いかもしれません。
年会費は無料です。 ポイントサイト経由で申し込むとさらにお得です。

楽天カードはJALPayにチャージしても基本還元率は0%ですが、頻繁に実施されるリボ払いキャンペーンに参加することで5%以上の還元を受けることができます。
年会費は無料です。 入会キャンペーン実施頻度が多いのが特徴でポイントサイト経由で申し込むとさらにお得です。
モバイルnanaco(iPhone)での支払い手順
クレジットカード、プリペイドカード、デビットカードからApplePayを利用して支払う保険金額をモバイルnanacoにチャージします。
協会けんぽから送られてきた健康保険任意継続被保険者保険料納付書をレジで店員さんに提示します。

納付書の読み込みが完了するとレジに支払い金額が表示されますので、その金額を確認し、正しければ店員さんにnanacoで支払うことを伝えるか、レジの画面でnanaco支払いのボタンにタッチします。
レジのリーダーにモバイルnanacoをかざして保険料を支払います。
保険料の支払いが完了すると店員さんから受領スタンプを押した受領証を受け取ります。保険料の振込受領証は年末調整もしくは確定申告の際、使用しますので、大切に保管しておきましょう。
まとめ
退職後、協会けんぽの任意継続被保険者となる場合は以下の支払い方法を利用して保険料支払い負担を軽減しましょう。
- 退職後、半年単位で働かないことが決まっている場合は前納という選択があります
- 月単位に支払う場合はモバイルnanacoに保険料をチャージしてセブンイレブン店舗で支払うことでチャージの際、還元されるポイントやキャッシュバック分がお得になります